フジツボは貝?
フジツボは富士山状の石灰質の殻をもつ固着性動物です。
固着性とは、生物の体が基盤上にくっつき、少なくとも簡単に移動できないような状態でその位置を固定され、移動せずに生活する性質のことをいいます。
フジツボは、その昔、貝などと同じ軟体動物だと考えられていましたが、のちにエビ・カニなどと同じ甲殻類に分類されるようになりました。
フジツボの作り出す接着剤は、とても強力
フジツボの厄介なところは、フジツボが作り出す接着力は、非常に強力で船底に付着すると、水流の抵抗の増加と船舶の重量が増加することで、船のスピードが落ち燃費が悪くなり燃料費の負担が大きくなります。また、一度付着したフジツボを取り除くことは、困難を極めます。
普段使用している接着剤は、接着剤でくっつけたガラスを水の中に入れておくと、水がガラスに対する接着力が接着剤よりも強いため、徐々に剥がれてしまいます。それに、水の中で直接物を接着させることはかなり困難です。
逆にフジツボは、水の中でどんな物にでも強力にくっつくことができる能力を兼ね備えています。さらに、フジツボ自身が死んでも、その接着力は維持された状態のままです。
このフジツボが持つ強力な能力に注目が集まっています。
さらに研究が進むと、水の中でも使える新しい接着剤の開発に役立ち、様々な分野で接着技術向上につながるでしょう。
例えば医学の分野では、人工の歯をつけるインプラントの新しい治療法になるかもしれません。
フジツボは高級食材
東北地方では、特に大きくなるミネフジツボを「ツボガキ」と呼び青森では需要の高まりから養殖もしています。一般的にはあまり知られていない食材ですが、青森ではよく食べられているという珍味です。
一見、これは食べられるのかと思いますが、首都圏の高級料亭から引き合いがあるほどの高級食材 なのです。
フジツボはどんな味なのか?
カニとエビを足して2で割ったような甘み で、プリンのようなトロける舌触りが絶品!だそうです。
このフジツボの特徴は、香り高い磯の風味です。さらに身を食べた後に残るゆで汁には、うまみと磯の風味が凝縮されています。
濃厚な味は、酒の肴にピッタリですよ。