エルサルバドル(エルサルバドル共和国)は中央アメリカの小さな国です。北西にグアテマラ、北と東にホンジュラスと国境を接しており面積は、九州の約半分の大きさで、人口は、635万人ほどです。
産業は、コーヒーが中心で農業生産の3分の1を占めています。
首都は、サンサルバトル。ここには、数多くの美術館や国立劇場があります。
マヤの遺跡をはじめ見所はあり、観光客も多いのですが、エルサルバドルの治安はかなり悪いようです。経済状況の停滞のなか、犯罪集団マラスやバンダが多く大都市での犯罪が増えています。
日本からエルサルバドルへの直行便は就航していないので、ユナイテッド航空やアメリカン航空、デルタ航空とアビアンカ航空で米国を経由するか、全日空とアビアンカ航空でメキシコを経由して、首都サン・サルバドルへアクセスするのが便利のようです。乗り継ぎの待ち時間も含めて18~30時間位かかります。
ホンジュラスとの「サッカー戦争」
1969年には、サッカーメキシコ大会の試合をきっかけに本当に国家間の戦争 が起こってしまいました。これがホンジュラスとエルサルバドルの「サッカー戦争 」です。
エルサルバドルとホンジュラスの関係は極めて悪化した中の69年6月、サッカーのワールドカップ(メキシコ大会)の予選が開催されました。
第1回戦は、エルサルバドルVSホンジュラス戦が6月8日にホンジュラスの首都テグシガルパで行われ、地元ホンジュラスが1対0で勝利しました。
第2回戦は、同月15日にエルサルバドルの首都サンサルバドルで行われました。試合は、3対0でエルサルバドルの勝利。
第3回戦は同月23日にメキシコの首都メキシコシティで行われました。エルサルバドル・チームのサポーターはスタジアムの一方の側に、ホンジュラス・チームのサポーターはその反対側に配置され、両者の間には、棍棒を持ったメキシコの警官が5,000人が配置されました。結果は3対2でエルサルバドルの勝利しました。
同月25日、エルサルバドル政府はホンジュラスとの外交関係を断絶し、その2日後にはホンジュラス政府の側も国交断絶を宣言。
そして7月14日、エルサルバドル空軍機が移民の保護を目的としてホンジュラス領の4つの都市を爆撃し、同陸軍部隊も国境を越えてホンジュラス領内への進撃を開始しました。こうして始まった戦争がいわゆる「サッカー戦争」なのです。
その後、米州機構が調停に乗り出し、18日には停戦が成立し、開戦以来4日で終結しました。この戦争は「100時間戦争」とも呼ばれています
ちなみに、サッカーのエルサルバドル代表の最新FIFAランキングは71位で、2006年11月のランクは169位だったのが、6年後には49位まで上がりました。